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金剛堂日記


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うう……頭痛が痛い(?)
よろしければ1からご覧くださいませ~…

人格崩壊注意です。

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皆々様、ヴィー/ナ/ス & ブ/レ/イ/ブ/スというゲームをご存知でしょうか。
私は好きです。(質問と答えが違う!?)
好きなんです!
というわけで、何度か行ってきた好きなもの×好きなもの……なのですが。
…全然スクツナになりきっておりません。
きちんと文章にする勇気もなかったものですから(恐ろしく長くなる)荒い荒い箇条書きにも近い描写でお送りします、し…。
というより、無理です。あの素晴らしい世界観と文章を真似るなんて…無理。
元々が小説を読むようなRPGですので、組みなおす勇気と根性が…私には足りませんでした。
それでも!書いちゃったしもったいないからここでだけそっと置いてみようと思います。

主人公は、不老不死の剣士で、世界がぶっこわれるよーという予言を回避するためにえんやこら!と必死で魔物を倒していきます。100年間ほど。
その中で色んな人と出会って、仲間になったり、敵対したり、助け合ったり、お別れしたり、死んでいってしまうのを見送ったり、と色々あるのですよ100年ほど…!
恋愛も、あったり、ね!
予言を携えてきた女神様が……これまたなんというか、これぞツンデレというような御方といいますか…。
当時ツンデレなんて言葉を知らなかったものですから「何この人序盤と中身が違う!」とキュンキュンしたものです…ってそんなことはどうでもいいですね。

というわけでV&Bパロです。パロといいつつ、設定ばかりをひっぱってきて、話の流れは丸無視に近いのでV&Bファンの御方はご覧いただかない方が…よいかもしれません。すみません。
スクツナのつもりですが、全然スクツナではありません。
序盤の序盤しか書ききれなかったものですから…orz
加えて人格はほぼ完全崩壊です!
原作の人間関係とかも完全無視状態です。
無節操ですみません!

それでもご興味もっていただける方は「つづき」からご覧いただけますと幸いです!

追記
長いので分けてみました。

行事担当の二人の登場です(…)
例によって注意書きをば。
・ヴァリツナです。
・といっても「ヴァリアー×ツナ」ではなく「ヴァリアーなツナ」です。
・人格崩壊はデフォルトです…。
・変な綱吉と可哀想なスクアーロの微妙な漫才をお許しいただけますでしょうか…?
・友情否定、恋愛未満、親愛以上、友愛外、といった感じなので、スクツナというよりはスクツナ風だと思っていただけると正解かと思います。

上記をご理解ご了承いただいた上でご覧いただけますととっても嬉しいです。

ではでは長々失礼しました。
どうぞお進みくださいませ。













「……豆まきぃ?」
「はい」
これどうぞ、と気味が悪くなるほどの満面の笑みを広げる厄介な我が部下は、目を細めて訝る俺を気にも留めず、片手鍋いっぱいの大豆を押し付けてきた。

クレイジーの豆まき地獄絵図

「節分ですよ。日本の伝統文化です。そういうの好きでしょ、隊長」
「いつから俺が日本マニアっていう設定になったんだぁ?別にどうとも思ってねえ!」
ぐいぐいと胸元に押し付けられる鍋から逃れようと身をよじるも、背にぶちあたる壁に邪魔されて避けきれない。
なんせ、ここは廊下だ。
俺はまたしてもトイレから出てきたところを襲撃されてしまっていた。
……正月にしろ今回にしろ、どうしてこいつはトイレ帰りを狙うんだぁ……。
「狙ったわけじゃありませんよ。隊長のトイレ頻度が高いんじゃないですか?」
「人を老人みたいに言うなぁ!なんだその目は!喧嘩売ってんのかぁ!!」
半眼で哀れむような視線を浴びせかけられて、黙っていられるほどお人よしには出来ちゃいない。
「大体なんで鍋なんだぁ!チキ○ラーメンとか煮るやつだろぉこれ!」
「なかったんですよー手ごろな容器が。枡なんてあるわけないし、ワイングラスっていうのもどうかと思って」
「そりゃダメだろ」
「で、ルッスーリアさんに相談したら『これでどうかしら』って渡されました」
「あいつも適当なこと言いやがるなぁ…!」
この場に居合わせていたならば、よくも余計なことをしてくれたな、と殴りかかっているところだった。
「豆まきとはー!」
「う゛お゛ぉい!勝手に説明に入るな!」
「炒った大豆を撒き、蒔かれた豆を、自分の年齢(数え年)の数だけ食べる。また、自分の年の数の一つ多く食べると、体が丈夫になり、風邪をひかないというならわしがあるところもある。豆を撒くことには、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがある。寺社が邪気払いに行った豆打ちの儀式を起源とした行事である。ウィキペディア参照」
「参照すんな。つうか…撒いた豆を食うって……ここは土足だぞ。やばくねえか?」
「本当は恵方巻も食べて『うわー太くて長くて大きいー!卑猥-!』とかもやろうかと思ったんですけど何かにひっかかりそうだから今回はパスするとして」
「…無視はもう慣れたけどなぁ……う゛お゛ぉい!なんだぁそれ!」
「豆まきくらいはしましょうよ!ね!」
「……どうせ、俺に鬼役をやれっていうんだろぉ!読めてんだよオチがぁ!」
痛めつけられる役は俺、と決まっているのが悔しいというより物悲しい。
俺の立ち位置はいつから『歩くサンドバック』になったのか。
普段ボスから散々暴力をふるわれ耐えているというのに、豆までぶつけられてたまるか、と言いたい。
主張くらいは許されるだろう。
そろそろ『おー人事』に電話してもいい頃合ではないだろうか。
「なに言ってるんですか。言いだしっぺは俺なんですから俺が鬼役をやりますよ。だからこうやって豆も渡してるんじゃないですか」
ほら、と付け加えて、ぐいっと。
一際強く鍋を押し付けられたのと、言葉の意味を理解して呆気にとられてしまった為、反射で鍋の取っ手を握ってしまった。
受け渡される鍋いっぱいの大豆。
香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
……あまり、食べたい、とは思わないが。
「じゃあ俺が鬼やりますから。十秒数えたら追いかけてきてくださいね」
……は?
「では!!」
しゅびっと片手を上げ、懐に入れていた鬼の面を取り出した綱吉は素早い動きで駆け出してしまった。
おい。
「豆まきって……鬼ごっこも兼ねてたのかぁ?」
知らなかった、と首を傾げながらも、俺は律儀にも正確な体内時計を頼りに十数えてしまうのだった。

 

「…九……十!う゛お゛ぉい!行くぞぉ!!」
「はいどうぞー!!」
「って近ぁ!!」
数メートル離れた先の曲がり角から、鬼の面がひょいと顔を覗かせる。
まさか返事が返るとは思わなかった。
なんのために逃げたんだお前。
「はっ!隠れる暇もなかったってかぁ!?覚悟しろよぉ!」
常日頃、手を焼く部下に対する鬱憤をたっぷり詰め込んで、鍋から豆を一掴み取り出す。
手は抜かねえ。
全力だ。
何においても完璧を目指すヴァリアーらしく、全力でぶつけてやろうではないか。
痛みに泣いて許しを請うても今更だからなぁ!
「う゛お゛ぉい!鬼はー!!」
スペルビ・スクアーロ、振りかぶって第一球……
「そとぉおおおおおおおお!!」
投げましたぁあああ!!

床を蹴って一気に距離を詰め、捕らえた標的に向かって握った豆を投げつける。
完璧だ。
距離も方向も申し分なく直撃必至。
ざまあみろ!
「はぁあああ!!」
パシ!パシパシパシパシパシ!!
「……はぁ!?」
「キャッチ!!」
と、優越感に浸る間に奇妙な破裂音が響き渡る。
慌てて意識を引き戻せば、普段あまり見せない本気のスピードを発揮した綱吉が、千手観音を思わせる手つきで豆全てを空中でキャッチしてみせて。
「アンド、リリース!!」
「はぁあ!?」
投げ返してきやがった。

「う゛お゛ぉい!!そんなんありかぁ!って痛ぇなおい!」
「鬼なめんな!鬼ですよ鬼!人外鬼畜なんですよ!」
「意味が違うだろぉ意味が!」
「極悪卑劣なはずの鬼が、なんで黙って豆なんかぶつけられなきゃいけないんですか!悔しかったら当ててみなさーい!」
「お前、節分完全否定なんじゃねえのかそれぇ!」
「こい!さあこい!」
「くっそぉ……!絶対泣かせてやるからなぁ!!」

こうして始まった豆まき攻防戦は、撒かれた豆によって滑って転びかけたボスのお怒りを、スクアーロが全身で受け止めるまで繰り広げられ続けたそうな。

めでたしめでたし。

「めでたくねぇ!!」
「……あれが本当の鬼なんですねえ。そうだ、隊長。ボスに豆ぶつけときます?」
「お前は俺を殺す気か」


クレイジーの豆まき地獄絵図


空はすっかり闇色に染め上げられ、ツンと鼻腔を突くような張り詰めた空気が支配を広げる頃。
夜食を断ったばかりの俺は、することもなくシーツの波に埋もれようとしていた。
係りの人の手によって施された完璧なベッドメイクを崩す瞬間は、申し訳なさ半分快感半分で、なんともいえない高揚を覚える。
ふらふらと頼りない足取りになってしまうのは、久々に晩餐を共にしたリボーンが無理矢理、俺にワイン一本を空けさせたからだ。
涼しい顔をして杯を傾けていくリボーンを前に、さして強くも弱くもない俺はひれ伏すしかないわけで。
俺の酒が飲めないのか、と意地悪そうに笑む顔が思い起こされて、なんだかムカツク。
…ともかく、無意識の内にも私室へ戻ってこれた俺の本能に感嘆の意を示そうではないか。
すごいぞ俺。
上着をソファに放り、タイを床に投げ捨てて、重力に引き寄せられるままシーツへダイブ。
体重を受け止めたスプリングが数度反動を宿すものの、揺さぶられる感覚すら大気に撫でられているようで心地よさを感じ始めた。
波間を漂うようなふわふわとした感覚が、気持ちよくってたまんない。
火照る頬に手の甲を当てれば、ひんやりと浸透する冷たさに瞼が落ちていく。
波打つシーツの白さが、閉じた目の奥でも瞬くように輝いて。
白銀の……柔らかい感触。
胸が弾んで、いつまでも離せなくなる、中毒性のある優しいぬくもり。
まどろみの中、浮かんでは沈む、発熱する感覚。
必要不可欠な存在。
その名は……フトン。
………そして。
「スク………」
吐息混じりにこぼれ出た名を自覚せぬまま、真白にきらめく夢路へと、俺は健やかに落ちていった。

 

ヒヤ、と背筋を、肩を、頬をなぞる風にふと意識が浮上する。
視界が、黒に塞がれていた。
仰向けに転がったまま手足をもぞもぞと動かしてみれば、触れる感触がすべらかで、皺の寄る感覚が指先を満たす。
ベッドだ。
見慣れた天井が、次第に形を成していく。
ぼんやりと定まらぬ視界に呆けながら思い起こせば、俺は酔いにまかせて眠ってしまったのだと自覚した。
暖房も、電灯も点けずに倒れこんだベッドは、徐々に夜闇へ慣れていく瞳のおかげでうっすら白く浮き上がっているように見える。
窓が、開きっぱなしなのだろう。
月光が、俺を照らしているのだ。
顔を傾けてみれば、ぼんやりと伸びる影が光の濃さを如実に示した。
月が、眩しい。
掛け布団もなく、上着も纏わない身に、夜風は容赦なく肌を掠めていって。
「……っ」
ふるり、と肌と肉が震える。
冬将軍の迫る季節に、ワイシャツで無防備に寝こけるのはよろしくないようだ。
ふわっと、一陣の風が俺を包む。
もう一度身体を震わせて、俺はそっと身を起こした。
ダルさに渋る身を無理矢理従わせ、上体を傾がせながら、膝を立てる。
未だうっすらと酒気に捕らわれている意識を、冷ややかな風がからかっているのか。
時折吹き込む夜気が、思考をクリアにしていって。
とにかく、開きっぱなしの窓を閉めてやらねばと、やっと思い至りながら。
視線を投げた。

なんとなく、ぼんやりと、ふと傾けた視線の先。
同時に、カタンと物音がして。

「………!」

 

「腹出して寝やがって。風邪でもひいたらどうする気だぁ」

 

窓枠に足を掛けながら、こちらを覗き見る人影に、気づく。

 

「電話では『ケガのひとつでも』って言ったがなぁ…病気も同様に、容赦しねえぞぉ?」

 

室内へ招き入れられた風に遊ばれて、月光を照り返す銀糸が流れていく。
夜闇より深い黒を纏い、月光より眩い輝きを放ちながら。
悠然と、陶然と、いやらしく微笑む表情。
見慣れた、けれど、焦がれた人の姿。

「スク、アーロ?」
「なんだぁ?幽霊でも見たような顔しやがって」
失礼な奴だな、と鼻で笑われてしまったけれど、不快感なんて、微塵も滲んでこなくて。
瞳を細めてうっそりと笑む、その人に捕らわれると思った。
捕えたい、と。

「スクアーロ…!」
思わず、ベッドから飛び降りていた。
転びそうにもつれる足を叱咤して、絨毯の上を駆ける。
裸足の指の間を擽る毛の感触がこそばゆい。
少し掠れてしまった寝起きの声も気にならない。
汗の滲んだ肌も、寒さなんて知りもしない。
どうでもいい。
精一杯腕を伸ばして。
捕えたい、と、望んだ。
夢でないように。…もし夢であるならば、まだ覚めるな、と。
伸ばした指先が。

「う゛お゛ぉい、俺がいなくてそんなに寂しかったのかぁ?」

からかうように吹きかけられた吐息を捕まえる。
霧散してしまわないことを祈りながら、力いっぱい両手で彼を抱き締めて。
背へと達した腕が、絡むように密着を願う。

「本物、だー……」
「俺の偽者がいたのかぁ?」
「夢かな、と」
「夢ですませるなよ」
身体を大事にしなかった分、覚悟しておけよぉ、と笑う声音が俺の背筋をぞくぞくさせる。
鋭敏になった神経が、抱きしめ返してくれたスクアーロを体中で感じようと必死に働いていた。
スクアーロの胸元に押し当てた耳が、少し早めの鼓動を感じ取って。

ドキドキしてるのは俺だけじゃないじゃん、となんだかおかしくなってしまった。

孤独の魔法が、解ける。

触れ合った先から、熱が生まれる。

「おかえり、スクアーロ」
「……ああ」
ゆっくりと髪の中に差し入れられた掌に誘われて顔を上げた先には、薄く笑む彼がいて。
降りてきた唇を感受しながら、はぁ、とやけに熱い息を感じて。

朝食も、昼食も、お茶も、晩餐も、今日は全部一緒がいいと、誘おう。

月光眩い窓辺に寄りかかり、溢れ出る熱を共有しながら。
こっそり心に決めて、強く引き寄せられた腕へと、堕ちるみたいに、身を委ねていった。

 

05:深夜0時、シンデレラのような


……シンデレラっぽくないのはわかっているのですが…これが私なりの精一杯★
これにてこのシリーズは終了です。
お付き合いくださいまして、ありがとうございましたー!

「さむ……」
陽は落ちきってしまい、街灯が街を彩っている。
冬が近づいているからか、点灯時間が三十分ほど早まっているようだ。
喧騒が遠く、耳に擦れる。
薄闇というには重い夜闇が世界を支配しはじめた頃、綱吉は一人、屋根の上に立ち尽くしていた。
沈みゆく斜陽を見送ってしばしの間。
移ろう街の色を見下ろしながら、己の身を抱き締めるように腕をさすっている。
「さむい、なぁ」
もう冬なんだなーと呟く息はうっすらと白み、呟きを確信へと昇華させた。
コートを羽織らず、ましてスーツの上着すら纏っていないという、ワイシャツ姿を部下に発見されたらば、きっと悲鳴を上げられるか怒鳴られるかするんだろうな、などと、まるで他人事のように考えながら。
「……さむい、んだけど、なー……」
ぼんやりと視線を持ち上げれば、雲間に星々が顔を覗かせている。
星についても星座についても知識を持ち合わせているわけではないが、あれはやけに明るいから、一等星だ。きっとそうだ。
そして、あっちが東だ。くるりと身を反転させて、透かし見るように視線を地平線へと投げる。
町並みがでこぼこだから、地平線なんて見えやしないが。
小高いわけでもなんでもなく、ただ市街地からすこーし距離を置いているだけの屋敷だ。高さを求めるような我が侭まで言ってはいけない。
「あっちの方に…スクアーロがいるのかなー…」
なんか、アジア方面に行くって言ってたから…東で、いいのか?あれ?
「でも、帰ってくるとしたら、こっちなんだよなー…」
いくらスクアーロでも自力で泳いで帰ってくるわけがないから、空港の方向を見るべきなわけだ。
…帰ってくるのだとすれば、の話だが。
九十度向きを変えながら、一際大きく息を吸い、吐き出す。
……吐くと同時に膝から力が抜けて、しゃがみこんでしまった。
ああ、女々しいなぁ。かっこわるい。
いつの間にか、こうやって帰りを待ちわびるようになってしまった。
いや待ちわびているのはいつもだ。
ただ、行動を起こしてしまうほどになったのはここ一週間ほどが初めてで。
「あー…もう、やだなぁ……」
離れている時間が愛を育む、だなんてどこの誰が言いやがったんだ。
愛は、育まれるどころか、増大するだけしておいて、俺を蝕んできているではないか。
育つなんて可愛いもんじゃない。
会うたび、会えなくなるたび、俺はどんどん一人でスクアーロを好きになっていく。
仕草を思い出して浸り、仕草を覚えておかなければと刻み、どんどんどんどん、スクアーロでいっぱいになっていくのだ。
俺の中身はいつか、沢田綱吉じゃなくって、スペルビ・スクアーロになってしまうんじゃないか、なんて、阿呆なことも考えてみたり。
……ほんと、阿呆だ。
しんどいよー。
くるしいよー。
つらいよー。
めげそうだよー。
どうすればいいんだよースクアーロぉ…。
会えばきっと満たされる。でも、会ったらまた、足りなくなる。
会いたいんだか会いたくないんだか、もうわからん。
……いや、ごめん、俺今嘘ついた。会いたい。
会えるものなら、会いたい。
一目でもいいから。いや、一目じゃ足りないけど。
会いたい。
会えない。
会いに、行きたい。

……無理だって、わかってるんだけど。

いつだって、待つことしかできない。俺から会いにいくことはできない。許されない。
身を案じられて、ヴァリアーのアジトに出入りすることは九代目や父さんから禁じられているし(俺とスクを引き離そうとしているようにも…思えるんだけどさ…考えすぎか?)
任務で世界中を飛び回るスクを、追いかけることも今の俺では難しい。
なんせ、仕事が、執務室で待ち構えているから、さ。
あはは……たまんない。
ほんと、もう……。
「スクアーロが、足りなーい!!」

「あ!あんなところにいた!ちょっ!十代目ー!!そんな格好で!!風邪ひくじゃないですか!!んなとこで何やって――あ、逃げた。ちょ、ちょっと!!待ってください十代目ー!!」
思わず叫んだら、俺を探していたのであろう獄寺君にみつかってしまいましたとさ。
全力で、逃げたけど。
もうー!何もかもスクアーロが帰ってこないせいだー!!こんにゃろー!!スクのバカぁー!!

 

「へっくし!」
「うっわ唾飛ばすなよ先輩ー!」
「あ゛あ!?生理現象にケチつけんじゃねえよ!つうかなんでお前までここにいるんだぁ!」
「えー?なんか、現場に向かってたら暇そうなレヴィがいたからさー仕事押し付けてきちゃった★」
「……あいつ、Sランク任務中じゃなかったのか?なんでこんなところに……」
「知らねー。二つ同時にこなせばボスの評価も上がるんじゃね?って言ったら喜んで引き継いでくれたけど?」
「バカばっかじゃねえかぁ…!」
「そういう先輩が一番のバカだと思うけどねー」
「う゛お゛ぉい!そりゃどういう意味だぁ!」
「そのくらい自分で考えればー?あ、ほら。手続き始まったってさ。今回の客室乗務員はどこの国の女かなーっと」
「さして興味もねえくせに……つうか、せめて違う便に乗れよぉ!」
「めんどーい」
「チっ……こっちがめんどくせぇっつうの……!」
小さなトランクを一つ抱えただけのスクアーロは、妙に楽しげな足取りで窓口へと寄っていく同僚が何かをやらかす前に止めるべく、足早に歩を進めたのだった。

04:6時の夕暮れ時

配布元
冷凍いちご 様
http://sky.geocities.jp/siromoti05/



material by アルフェッカ

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